juice or quince

テレビとかいうオワコンでマイクロファイバーとして働く

不夜城の現実

ども。

2月ももう終わりですね。

先日、以前ここに書いた学生芸人くんから弊社に落ちたという連絡がありました。

即死ではなかったのですが。お祈り。


実は今月、まだ1日しか休んでおりません。

まぁ薄っすら「全然休んでねえな」とは思ってたのですが

クソドラマ時代に比べると居心地もいいし

結構ひまな時間多いしそれなりにサボってるし

弁当のグレードも高いし・・

ということであんま気にしてませんでした笑


なんだろ、心が健康なんだよな。それなりに。

まあそんなに忙しい時期じゃないのもあると思うんだけど。


時間さえ超えてなければセーフと思ってたのですが

このご時世、休日の数も最低限守らないとアウトらしいです。

ってのに今日気づいて焦ってます。休まないと・・。


世間では裁量労働制が話題になっているようですが。


ざっくりいうと専門職が対象で、

最初から残業代をつけて月収を固定にするかわりに、

出勤も退勤も本人に任せるよー的なあれです。



厚労省の定めた対象がこちら(これと別に企画業務型もあるらしい)

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/


ありますねー

放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務


ちなみにこちらも対象でございます。

広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)


まぁそういうわけでテレビ業界も裁量労働祭りなんですね。

もちろん例外もいます。


たとえば、僕です。

新入社員は基本的に非裁量です。

あと当然ですが現場以外の部署とか、小さい子を持つお母さんとか。

不夜城みのすごいテレビ局ですが人事部とか管理系の部署は定時で帰って

夜にはフロアごと暗くなってたりします。そのひとたちは当然非裁量です。



ちなみに基本的に非裁量と書いたのは、会社によるからです。

1年目から裁量のところもあります。


何が違うのか?



お察しください。




テレビの現場では長らく、非裁量ってのは

「つけたぶんしかもらえない」というより

「つけたらつけたぶんだけもらえる」という文脈で使われてきました。


ADなんて下積みもいいとこですから、Dに振り回されPに振り回され

基本的に誰かに合わせて生きる身ですので、裁量もクソもないわけです。

職人ですから。師弟関係ばっちこいというか。ドラマも然り。


もはや会社に住むのが一番楽というか。

自由も休みもないけど勤務はガンガンつけてもいいから我慢してね

って構造でこの業界の下積み生活は成立していました。


しかしそれも遠い昔・・・ってわけでもないけど少なくとも今は無理です。

僕たちは無理です。んなことして労基にすっぱ抜かれたら終わりです。終わり。

会社に残るのは正義みたいな空気は、表面上はだいぶ薄くなりました。

「早く帰れよ」という声が飛び交う制作フロア、昔ならまずありえなかったでしょう。

なので表面上とは言え、それなりに環境が変化しているのは事実です。


僕もひまなときしれっと帰りますが、それができるのはこの表面上の変化のおかげです。


ただいくら表面上や環境がいくら変わっても、

僕たちの作りたいものや作る方法は変わってません。


技術の発達により簡略化したり、携帯性が上がったり、色々便利になった一方

ADでもちょっとした編集とか、リサーチとかできちゃうわけですね。

リサーチ会社に投げてたようなこともネットで調べられちゃうわけじゃないですか。

電話番号もすぐ出るし、現地にいかなくてもGoogle先生がいれば、ね。

クソドラマ時代は小物用にカラーイラストを描かされたこともありました。


ゆえに「結局トントンというかむしろ昔より仕事増えてると思うよ」


と偉いおじさん。


まぁそういう細かい作業・編集の延長上に

現代バラエティの「笑い」が成立してたりするのですが。


まあそんなわけで正直仕事の内容は減ってないんですね。

むしろ細かくなったから時間かかると言いますか。

僕がバラエティに来てからまず覚えたのはWordのショートカットですからね。

Pとか偉いおじさんは全然パワポとか作れないのにですよ笑

先日、大学生のPC離れが凄くて就活前にPC教室通うみたいな記事みましたけど

そういうひとはめちゃくちゃ苦労すると思います・・・検索能力も然り。

バラエティはドラマの制作部にあたる存在がないので、

地図作らされることもまれにあります。つか今日作りました笑

(制作部についてはブログ内検索してください)


で、ディレクターの仕事と生活メカニズムは正直昔とさほど変わりないので

結局深夜までVTRのチェックを待ったり、編集室に籠ったりするわけです。

これは正直早くしようがない。こだわりの問題だから。

時間帯をずらすとかケツ決めて早くなるように心がけるとかそれくらい。

で、それにはADが必ず同伴するわけで。


なのに世の中の働き方改革の風で残業がつけられないという。

今なんかぶっちゃけ暇ですけど、それでも上限いっぱいですよ。

特番の時期とか絶対えぐいでしょ。俺たち何時間分の金捨てるの?っていう。


昔ほど貰えないにしても

「AD時代しんどいけど金もらえるから!裁量になる前に金もらおう!」

というのが合言葉だったんですけど、それもできないという。


我が御大は「ぶっ続けで働くけど金もらえるほうがよくない?」

というので僕も「そうっすね」とは返すんですけど

正直僕はそんな派手に金使うつもりもないので、

減っても休みあるほうがいいかなーって感じはあります。正直。

で、クソドラマ時代は他のリスクも冒してそれを実行しました。

その結果「あれ?テレビ局かな?」ってクラスの月給にもなりましたがw


ただ、今はやっぱ状況が違う。

僕は今の環境、というか今の番組にいることに

多少の不安はあれど、あらゆる意味で感謝してます。

ひともそうだし、僕の好きな笑いとしても、この番組の位置としても

なかなか恵まれた場所にいるんじゃないかなと思ってます。


嫌われたくない、一員でありたい、成長したい。

期待されたいし、それを超えたい。

そういう気持ちがあるわけですね、この半年お亡くなりになってた感情が。


となると結構きついんですよ。時代の風が。

働きたいのに働けない。任せられたいのに任せられない。

働こうと思うと、勤務を削ることになり数年前までもらえていたお金がもらえない。

働こうと思うと、身近な誰かが偉いひとに「なんで帰してないんだ」と怒られる。


確かに効率はまだまだよくないですよ。

自分でやればええですやんとか、どうでもいいところへのこだわりとか。

まつりちゃんの件で開き直って属人的な問題で片付けようとする

広告のおじさんとかも僕はドン引きです。


でも今求められている上限があまりにも非現実的なんすよねえ。

地元で教師やってる友達のほうがよく働いてるんじゃないかレベル。

正直法的に全くクリーンな上限で働くのであれば

非裁量の間はもう研修生ですね。それ以上にはなれない。

ディレクターの道は更に遠のきます・・・。



それって、コンテンツプロバイダーとして破綻してませんか?

「面白いもの作りたいです!」と言って来たひとに

「わかりました!でも最初の間は制作には深入りせず、時間がきたら自分だけ帰ってくださいね!そのぶん経験積むスピードは遅くなるんで、ディレクターになれるのは正直いつかわかりません!!!」

って返す会社・業界をわざわざ選ぶのかという。選ばねえよという。


テレビ局自体はテレビというメディアの所有者というより

番組というコンテンツのプロバイダーになりつつあるのにですよ?


んー・・・。でもこれ結局現場のひとにしかわからないんだろうな。

傍から見たら僕も洗脳されたかわいそうなひとなんすかね。


ちなみに番組の作り方についてですが、即効性のある解決策、あります。

便利な機械?いえいえ習得に時間がかかります

人増やす?いえいえ教育に時間がかかります


答えは1つ

「1回の放送にかける期間を増やす」これです。

時間ではなく期間というのがミソです。

バラエティであれば放送頻度を下げる、月4じゃなくて3とか。放送時間減らすとか。

ドラマならキャストの掛け持ち禁止で撮影期間延ばすとか。そういうことです。


どうでしょう、視聴者の皆さん。